2011年4月16日土曜日

三つの箱から世間を覗く(第53回)

「"災禍の統一地方選"という表現」

二木がMCを務めている、「報道原人」(毎週土曜、AM10~、BS11)を見たことがあるだろうか。

ものすごく力を籠めて誕生した番組で、「横並び」否定、「独自性」を「売り」にしており、
TVでろくに扱われていないニュースを取り扱おう、というものらしい。

○そこでの、あるコーナーのタイトル。

だが、「災禍の統一地方選」て、なんだ?
統一地方選が災禍にあったのか?普通そう理解される表現だ。
「災禍の中での統一地方選」じゃないのか…?

ニュースは「内容」も当然重要だが、
正確な「タイトル」も大事だぞ。
内容の「意味づけ」なのだから。
このタイトルは読者をミスリードする第1歩となる。
言論人が、言葉を、表現を大切にしないとは…。

○小向日の「覚醒剤容疑、不起訴」を最初に取り上げた。
そして、「そもそも、覚醒剤容疑事件は取り上げるだけのものなのか?」という。
全くその通り。
だが、その結論なら、何度も何度も聞いてきた「TV批判」でしかない。
それなら、もっと「聞かせるべき情報」に時間を割いてくれ。

○「ベタ記事コーナー」で「自販機自粛」をとりあげた。

そこで、石原都知事を批判すること、批判すること。
「非常時には強力なリーダーシップが必要だ、
ということで指示が集まったのだろうが、
一体どこへ連れて行こうとしているのか、のチェックが必要だ」
というようなことを言っている。
「強力なリーダーシップの要望」がなぜ生まれれているのか、
の突っ込んだ分析が必要なのに、
石原批判にしか目が向かない。

そして、「道路工事をしている人たちがどれだけ助かっているか、知らんのか?
大体、自分で自販機で買ったことなどないのだろう。」と。
君たちは、石原の発言を「(そもそも、または電力不足時に、自販機が)本当に必要なのか?」という問いかけと受け取れぬほど「愚か」なのか?
(右翼の石原なんて(左翼の)我々は嫌いだ!絶対認めない!!というところか、と皮肉りたくなる。)

そして、石原の「自販機イラナイ」論に民主党が乗ったのを、非難している。
自民党推薦の石原を…、というのだ。
「良いこと」は「誰が言った」ことでもいいではないか!?
君たちは「言論人」か!?

不満はある。
なんか、だらだら喋ってるだけ、という「感じ」もしないわけではないが、
でも、突っ込みどころ満載で、しかも
1週間のできごとの再点検のチェックリストにはなる。
また、こういう番組・キャストを選ぶTV局を知り、考えることも大切だろう。

「お薦め」かも。

1 件のコメント:

  1. 太田(3期生)です。
    “言論人が、言葉を、表現を大切にしないとは…。”
    というご指摘は、「言論人」を「日本人」に、「言葉」を「日本語」に
    置き換えても通用するかと思いました。

    私は20周年記念合宿での記念講義において先生が
    「君たちは英語を話せないことをむしろ誇っても良いくらいだ」
    と仰っていたのを強く覚えています(英語が苦手なせいもあります)。

    言葉を奪われてスペイン語や、ポルトガル語や、英語や、フランス語を
    国語とせざるを得なくなった国々が多い中で、私たちが日本語を用いる
    ことが出来るのは決して当たり前のことではありません。
    血を流して日本語を守ってくれた方々のおかげで今も日本語を使うことが
    出来るのですから、感謝の念を忘れてはならないと思っております。
    もちろん、言葉は生き物ですので永遠に不変ではなく、私が現在使っている
    言葉もご先祖様が聞けば相当に乱れているかもしれません。
    しかし、少なくとも意図的に「崩す」ことは避けたいと考えております。

    以前は仕事の上でも「こだわる」を良い意味で用いるといった
    誤用に都度注意していたのですが、その情熱を失いつつあります。
    メディアや広告代理店等が圧倒的な露出量で日本語を崩していけば、
    とても対抗できるものではありません。
    無力感を覚えてしまいますが、せめて自分の文章くらいは未熟ながらも
    先人に失礼のないように気を付けていきたいと思います。

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