2011年4月3日日曜日

三つの箱から世間を覗く(第47回)

「リーダーの語り口~東日本大震災④~」

仏大統領サルコジが来日し、菅首相と共同会見をおこなった。
菅は「えー、あー、うー」を頻繁に挟みながら語る。
実に聞き苦しい。
サルコジの方は、フランス語を通訳したものが主に聞こえてくるので、
正確には判断できないが、どうも「あー、うー」は言っていないようだ。

「あー、うー」は、普段の会話などでは出てこない。
あらたまって、ひとに語りかけようとする時に出てくる。
スピーチではよく出てくるし、報告する時でも経験する。
何を語るかは決まっていても、
どう語るかまでつめていないと、どうしても出てくる。
考えながら語るからだ。
だから、原稿をしっかり作っていれば出てこない。

毎回、毎回、聞き苦しい「えー、あー、うー」を挟みながら語り続ける菅。
一向に改めようとしない。改まらない。

彼のメッセージはどれだけ相手・私たちに伝わるだろうか?
何を言っているかはわかる。
だが、「ああ、そうだなぁ…。」「わかった」にはならない。

聞き苦しい、美しくないからか?
それもあろうが、より以上に、
「伝えたい」「わかってもらいたい」という心・思いを感じないからではなかろうか。
リーダーが語っているのに…!!

菅や、下手くそなスピーチしかできない世のリーダー達よ。
三戸ゼミに入って、スピーチ大会でトレーニングしたらどうか?

みんなは、「えー、あー、うー」は除染されているだろうな?

1 件のコメント:

  1. 太田(3期生)です。
    三戸ゼミでのスピーチ大会では、少なくとも最初の一言と最後の一言は
    入念に準備せよと口酸っぱく教えられました。
    また、練習時にスピーチ内容を録音したりすることで客観的に自分の
    スピーチを評価することも上達の方法として教わりました。

    為政者はTV等を通じて自分のスピーチを映像として振り返ることが容易な
    はずであり、目を覆いたくなるような醜態を全世界に晒した胡錦濤国家主席
    との対談からは流石に何かを学ぶはずであろうだと思っていたのですが、
    管首相のスピーチにはその後も特段の変化は見られません。

    受け手側の与党の方がどうしても歯切れが悪くなりがちな質疑応答の場面と
    異なり、震災時の記者会見等は100%自分のペースで進められるはずなのに
    その場においても堂々とした印象を与えることができませんでした。

    先生が以前に掲示板で紹介してくださった丸谷才一『挨拶はたいへんだ』
    (朝日文庫、2004年)では、冠婚葬祭のスピーチ等では原稿を用意すべき
    旨を説いています。
    もちろん、原稿に目を落とすことなく正面を見て話す方が伝わりやすいの
    ですが、「えー、あー、うー」の聞き苦しさを解消するためには良い方法かと
    思います。
    ただ管首相の場合、「何を語るかは決まっていても、どう語るかまで
    つめていない」から「えー、あー、うー」が出るのではなく、
    そもそも「何を語るか」をその場で考えているような気もします。

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