2011年4月22日金曜日

三つの箱から世間を覗く(第57回)

「この差・違いはなんだ?」
①高島屋で福島+北関東3県に野菜の特売フェアが好評と言う。
だが、スーパーなどでは同地の物産は売れないと聞く。
千葉産の魚介が築地では全く売れないとTVで流れていた。

限定して「特別」と銘打てば、人は買うようだ。
「安全」な野菜と「不安」な野菜が同じ売り場にあると、手を出さない。
「不安による風評被害」なんだから、
「買い控え」ても不思議ではなく、
「買って」も不思議ではない。
心理学者に説明してもらいたい、と思ったけれど、
学者(科学)に対する信頼感は薄れちゃったなぁ…。

②菅首相が被災地を訪れた。
東電社長も被災地を訪れた。
被災地の人々、被災者から県知事までからケンもホロロの扱いを受けていた。

天皇・皇后両陛下も訪れになった。
被災者の人々は、
「ありがたい、励みになった」と喜んでいる。

このニュースを聞いて、
まさか、「天皇には責任も権限もないからなぁ…」とか、
「喜んだやつは一部だろ」とか言うやつはいないだろうなぁ…。

いや、いるだろうが、仕方ない。
だが、菅首相も東電社長も
「自分と両陛下の違い」は何か、どこから生まれるのか、
と問うどころか、疑問にも思わないだろう。

いや、この二人だけではあるまい。
このニュースを見たもののどれだけが、
そう感じ、考えようとするだろうか?

(例え、両陛下のように振る舞うことはできなくとも、)
感じ、考えさえしない人々が、
被災地の復興に当たり、
原発事故の対策と避難計画の策定に当たっている。
辛く、大変な目に遭い、
なぜ、と問うている人々に納得させることなどできまいなぁ…。

金だけの問題じゃないんだ、ということがわからないんだから、
いくら頭を下げたって、謝罪の言葉を繰り返したって、
「伝わらない」ということの意味はわかるまい。

そして、わからない者たちしか
これからも首相に政治家になるだろう。
わからないもの達が投票するのだしね。
そして企業のトップになり、
大事故を起こす惧れを恐れず、
起こったら、被害者をまた怒らせるのだろうなぁ…。

私も、これを読んでいる君も…。

【質問】もし、あなたが総理大臣・東電社長なら、どのように被災者を訪ねますか?
(月曜日に、私の答を書きたい。
それまでに、一人か二人の答を聞きたいなぁ…。
「正解」なんかない。どんな答えでもいい。
とにかく考えてみること。
ありきたりのことしか出なかったら、そう書けばいい。
首相や社長さえわからず、できないことなのだから…。
今、自分が考えられる答はどんなものか、を自分で確認すること、
が大事で、考えたものだけが人の答を聞いたとき、
そこから学べるのだと思う。)

4 件のコメント:

  1. 竹田(21期)です。

    先生、最後の質問ですが、大変意義深いものとして捉えています。
    これを考えることは、リーダーの在り方を問うものであると思います。

    私の回答は、
    〇姿勢・伝え方について
    「責任ある立場として、自分の非を認め、誠心誠意謝罪する」姿勢を見せる
    返答に口ごもって答えられないなんてことはあってはならない。
    〇伝える内容について
    「代表として覚悟を決め、全身全霊をかけて力を尽くしたい」
    具体的な今後の方針等を述べることは難しい。よって、謝罪文と今後の姿勢を伝える。
    また国民全体に対しても
    「今後困難な状況が続いても覚悟を決めて、各自の役割を果たしてほしい。
    また、これまでの社会の在り方を根本的に見直す必要がある。
    共に責任を感じ、変革を起こしていかなければならない」
    ということを本心から訴えるべきであると思う。

    ※伝える時期についてですが、もう少し早い段階で訪れるべきであったと思います。
    せめて、震災1週間後には国民の前でトップが伝えるべきではないでしょうか。
    信頼は迅速な対応と姿勢によって築かれると思います。

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  2. 太田(3期生)です。
    先生から課題としていただきました「もし自分が首相・東電社長ならどの
    ように被災地を訪ねるか」という難問に頭を抱えていたのですが、やはり
    妙案は出ませんでした。
    これが震災直後に訪れるのであれば、誠心誠意お詫びする姿勢を示すだけでも
    まだ許されるかもしれません。
    しかし、事故から1か月以上を経過した時期にトップが訪問する際には、
    民間企業間のクレームに置き換えて考えてみましても、納得性の高い
    原因分析と再発防止策、そして補償内容が十全に用意されていない限りは
    門前払いされても致し方ないかと思われます。
    再発防止策も完全ではない、原発の今後の展開についても明確に発言できない、
    補償内容については現在発表されている以上のことは言えない、という
    がんじがらめの制約の中で被災地を訪問するのであれば、
    ○ この責務から逃れることなく必ず全うするとの強い決意を示す
    ○ 被災地を復興し、避難者の生活を元通りにするまでの方向性を説明する
    ことくらいしか思いつきませんでした。

    もう一つ先生がご指摘されている「両陛下との違い」も難しいです。
    放送されたおことばからも、陛下が心からご心配してされていることがよく
    分かるのですが、心の有無でしょうか。
    ここが分からない限り、被災地を訪問する際の姿勢にも気付けないような
    気が致しました。

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  3. 中村(20期)です。
    余り詰め切れていないのですが、現時点での考えを投稿します。

    ○まず考えられるのは、実際に行われたように被災者一人一人に向かって声をかけることですが、映像を見る限り菅総理は全くの無策であったように思います。

    場当たり的に対応して何十何百と言う人に対して好感を残そうということは、非常に高度な力を要すると思います。「何を、どのように伝えるか」を明確にしない限り、この手段が奏功することは難しいでしょう。

    ○別に考えられるのは、全体に向かって演説(スピーチ)などで言葉をかける時間を設けることでしょうか。自分が「何をしに来たのか」を明確にすることがまず必要だと思います。

    厳しい言葉を投げかけられたのは「何をしに来たのかわからない人間」であったことも一因であると思います。訪問したという事実を国民にアピールするためではない、被災者に叱られに来たのでもない、どのような人間として相対するのかをはっきりさせるべきだったでしょう。


    そもそも私自身、菅総理に明確に「非」があるということにピンと来ていないのですが…。
    これまでに原発を推進してきた政府としての「非」でしょうか。それとも現時点で目立った成果を出していないこと自体に対する「非」でしょうか。
    とりあえず被災者に求められることは、「勇気づけられること、元気づけられること」であると思います。

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  4. 近藤(22期)です。

    菅首相の避難所訪問を映像で見ました。
    避難している住民にただただ謝るところを見て、
    どうも首相としての能力、自覚が足りないのかな、と思いました。

    自分ならどうするか、ということは非常に難しいですが、
    訪問する意味から考え、そのために何をするかという順序で考えたいと思います。


    避難所を訪問する意味・目的を考えると、以下の2点が浮かびました。
    ①自分の目で見ることで、状況を確認する
     (何があって、何が足りないかを把握する)
    ②被災者の方々を勇気づける


    そしてそのために具体的に何をするか。
    まずは、被災者の生活している現場と生活環境を確かめることです。
    それには、実際に注意深く見て回ることに加え、直接話を聞く
    ということがあります。

    また、勇気を与えるためには、そこにいる全員と直接話をし、
    どのように対応するか、現状ではどうなっているのかを説明すべきだと思います。
    もし、一人一人と話すことが不可能であった場合なら、複数人ずつのグループを
    回り、全員と少なくとも会話することができたのではないか、と思います。

    テレビ等で指摘されているのは、訪問する意味として、
    「③国民の支持を集めるためのパフォーマンス」ではないか、
    というものがあり、映像で見る限り、もしかしたらそうなのかもしれない
    と感じざるをえませんでした。

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