2011年5月12日木曜日

三つの箱から世間を覗く(第75回)

「大関・把瑠都の放言に関して」

いかにもスッキリしない「技量審査場所」で、
大関・把瑠都の「不謹慎な発言」が問題となっている。

初日から2連勝の大関・把瑠都が豪栄道に上手投げで敗れ、
支度部屋で「遊びの場所みたい」などと不謹慎な発言をした。
放駒理事長(元大関・魁傑)がファンの信頼を土俵で取り戻すと誓った技量審査場所で、
大関が発した自覚を欠く言動は波紋を呼びそうだ。
「お客さん、無料ですからたくさん見に来てくれている。
でも、悪いけど遊びの場所みたい…。気合、入ると思う?」
(中略)
4カ月ぶりの場所に向けて放駒理事長は何度も「失った信頼は土俵で取り戻すしかない」と話した。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110511-00000035-spn-spo)

弟子の「姿勢・心構え」に問題がある場合は、
親方の責任、指導が悪いからではないのか?

親方の尾上親方(元小結・濱ノ嶋)を調べてみよう。

尾上部屋の過去の不祥事
 八百長問題では十両・境沢、幕下・白乃波、三段目・山本山が関与を認定され「引退勧告」を言い渡され、引退届を提出。
師匠の尾上親方は「委員」から「平年寄」の2階級降格処分を受けた。
 また大関・把瑠都が服装の乱れなどで計3度、協会から注意を受けた。
07年と09年に東京・六本木をTシャツ、短パン姿で歩き、
今年3月にはジャージー姿で大阪市内の繁華街を出歩いた。
今年3月は東日本大震災直後で協会は許可なく地方へ行くことを禁止しており、
尾上親方も厳重注意を受けている。
(http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2011/04/20/kiji/K20110420000663340.html)

場所前には師匠・尾上親方(元小結・浜ノ嶋)の酒気帯び運転が発覚。
協会から「年寄」に10年間据え置く処分を受け、
9日に道交法違反で書類送検されたばかりという事情もあるだけにあまりにもタイミングが悪過ぎる。
ある協会幹部は「大関という地位の重みを分かってほしい」と苦言を呈した。
(http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2011/05/11/kiji/K20110511000798980.html). [ 2011年5月11日 08:

把瑠都は服装の乱れなどで、過去注意されているらしいが、

塩撒きパフォーマンスを行う北桜との対戦では、
そのお株を奪うような大量の塩撒きを披露して館内を湧かせたり、
出身地を「奄美大島」と答えたりと、極めて陽気で茶目っ気のある性格であり、
脚の負傷が多いが、呼出の支えを借りて土俵を降りるような重傷を負っても、
退場前に必ず一旦呼出に手を離させ自力で振り向き土俵に一礼してから退場する、
負けても深々ときちんと一礼をする等、土俵態度への評価は高い。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%8A%E7%91%A0%E9%83%BD%E5%87%B1%E6%96%97)
とあった。

また、今場所から支度部屋への携帯電話の持ち込みが禁じられ、
力士は国技館の入り口で預けるようにしたそうだが、
預けることを忘れ、そのまま通り過ぎる力士がいたという。
親方の注意が不十分だったのだろう。
(携帯の取り上げ、自体は別として。)

「わかっていること」と「わかっていないこと」があるということだろう。
親方と相撲協会が「大相撲とは何か?」を教えられていない。
「心」をわからせないまま、「形」を注意しても、わかるどころか…。

「携帯持ち込み」などをいくら禁じようが、
「心」をわからせない限り、
八百長以外にも「不祥事」は続くであろう。
八百長問題以前に、朝青竜問題や弟子リンチ事件などがあったではないか…。

「親方」が「力士の心技体を育てる」のではなく、
「部屋の飯のタネを育てる」ようになっていないか?
外国人や現代の若者に、どう「大相撲の心」を教えていけばいいか、
その悩みがあるようには、到底思えない。

そのような大相撲改革のために、外部有識者による独立委員会が提言をまとめている。
提言は、理事の半数を外部から招く、
年寄名跡(親方株)の売買を禁じる、
親方の研修と人事考課制度を導入する、
相撲部屋を削減するなどの内容だ。

だが、親方の権益擁護団体たる大相撲協会は、
この提言を受け入れるとは、到底思えないなぁ…。

自分たちの「心」を問い直さず、
弟子を「指導・監督」しようとする。


だから、次のようになる。

把瑠都、怒られっ放し 鳴戸親方がカミナリ…技量審査場所4日目
スポーツ報知 5月12日(木)8時7分配信
 ◆大相撲技量審査場所4日目(11日・両国国技館)
今場所から監視役として監察委員の親方が入るようになった支度部屋で、初めて力士が注意を受けた。
力士の動向を厳しく取り締まったのは、十両の取組中に東支度部屋の監視を担当した鳴戸親方(元横綱・隆の里)だ。
 指導が厳しいことで知られる同親方の注意は多岐にわたった。
まずは、あいさつだ。3日目の軽率な発言で注意を受けた把瑠都は同親方に対し、歩きながらあいさつした。
すると「止まってあいさつせんか!」。あまりの迫力に支度部屋は静まりかえった。
「そういうのは親方衆が注意しなくてはダメだ」と憤慨し、さらに「私語が多い」として玉鷲にも注意をした。
 極めつきは、関取衆の下着の色にも注文を付けたことだ。
力士ごとにデザインは多種多様で、ハート柄などのパンツをはいている者も。
それが鳴戸親方の目に留まった。「カラフルな下着が目についた。
昔は横綱、大関も白をはいたものだ。白は高潔な色なんだ」と持論を展開。
さらに「個性は相撲で出せばいい」と付け加えた。
場所後に監察委員会と審判部が合同で行う場所を総括する会合で、下着の話題も出るかもしれない。
 ただ、下着の色まで指定することに、力士の反応はさまざまだった。
白鵬は「分からないけど、白っていうのは験担ぎじゃない?」と話した。
ある力士は「色は自由じゃないですかね? そこは関係ないと思いますけど…。
どこを監察してるんでしょうか。ほかに(見るところは)あるでしょう」と苦笑いだった

そして、「ある力士は「色は自由じゃないですかね?…」などと、
ほんとかどうかわからないが、
協会が聞いたら、黙っていられないようなことを、
面白おかしく、書きたてる。

すると、
「ほかのユーザーが把瑠都の発言を取り上げた報道を非難したのに反応して、
ダルビッシュは「最悪ですね。。」(原文まま)とツイートした。
さらに、格闘家の青木真也の「人の粗を探す風潮をひっくり返したい」という発言には
「それ自分も思ってました(笑)」と同調した。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110512-00000016-dal-fight)

というレスポンスを引き出すことになる………。

1 件のコメント:

  1. 太田(3期生)です。
    外部有識者(「他責」の象徴)による独立委員会の提言内容について
    私も目を通してみたのですが、不祥事を起こした企業に設置される
    独立委員会、第三者委員会と変わらないような印象を受けています。

    不正の温床となりうる制度の撤廃、牽制機能の強化、といった主たる
    改善項目はガバナンスの観点からの指摘であり、そうした改善からは
    先生がご指摘されている
    「心」をわからせないまま、「形」を注意しても・・・
    という問題は解決されないかと思います。
    親方の研修というのは、まさかコンプライアンス研修でも行うのか
    と少々さびしくなります。

    相撲取りとは何ぞや、どのようにあるべきか、といった内容についての
    説明がどこかにないか探してみたところ、財団法人日本相撲協会の
    「寄附行為」にもそうした内容はもちろんなく、見当たりませんでした。
    まずは相撲取りとは何ぞや(曙は「生き方」と言っていました)、
    相撲取りにしか出来ない振る舞いとは何か等を改めて確認することから
    始めるべきではないかと考えます。

    なお、把瑠都の発言に関する報道については、果たしてこれが報道するに
    値するような情報であるのだろうかとの疑問を感じました。
    政治家のオフレコの場面での不適切な発言に関する報道でも同じことを
    感じるのですが、不適切な発言を待ってましたとばかりに報道するという
    のはどうにも下卑た感じがいたします。

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