2011年5月12日木曜日

三つの箱から世間を覗く(第74回)

「東京タワーライトアップ再開に関して」

①東京タワーのライトアップが再開された、
(50%の節電をした上で)
というニュースを「知りたがり」(8ch.10:00~)がとりあげていた。

そのとき、「ライトアップしたことに、とやかく批判されるかもしれないが…」
とコメントしていた。
再開の理由も、「元気が出る」など。

「言われたくない!!」と、本当に思っているんだなぁ…。

ライトアップされた東京タワー、というのは、
東京の代表的夜景ではないのか?
これは、スカイツリーではまだはたせない役割だ。

それ自体が「必要か、否か?」で問うべきではないか?
ライトアップ全体は肯定しない。
石油・LNGを輸入し、原発に依存して生み出した電気の使用法としては、
ライトアップは、あまりほめられはすまい。
だが、東京タワーのライトアップは{代表的な東京の夜景」として、肯定したい。
新幹線で西から帰ってきたとき、ライトアップされた東京タワーは、
「ああ、帰ってきた」と思わせてくれるまで、東京の姿となっていよう。

それ自体の必要性に立たずに、「復興のため」とかなんとか、余計な正当化を図ろうとする。
だから、自信がなく、「言われたくない!」となる。
多くの人が納得できる理由に立ち、批判されても、
その理由を主張すればいいではないか?
(勿論、これは「ライトアップ」だけの問題ではないことは言うまでもあるまい。)

この「言われたくない(批判されたくない)!」意識は、
このblogでも語ってきた「他責」の論理・意識と関連してはいないか?
また「クレーマーの時代」の「防衛反応」ではないか?

続けて考えてみたい。

1 件のコメント:

  1. 太田(3期生)です。
    「クレーマーの時代」の「防衛反応」ではないか、とのご指摘を拝見し、
    自分の責任と負担において意思決定することが非常に難しい時代なのだな
    と感じました。

    いわゆるCSR活動を行う上でも企業は
    「株主への説明をどのようにするか」
    ということが頭を離れないのではないかと思います。

    象徴的だな、と感じたのが某大手インスタントラーメン製造業者の
    プレスリリース内容です。
    この会社は阪神大震災においても中越地震においても単にインスタント
    ラーメンを被災地に送るだけでなく、水道やガス等のライフラインが
    通じていなくとも温かいラーメンを提供できる「キッチンカー」を
    送り込んでいます。
    インスタントラーメンをこの世に生み出したトップランナーとしての
    矜持が伺える見事な企業姿勢であり、立派であると思います。

    ただ、震災翌日3月12日ののプレスリリースでは
    「(社)日本即席食品工業協会に対し、農林水産省より即席めんの緊急支援
    要請があったことを受け」第一回目の救援物資提供を実施したと説明
    されていました。

    この会社は緊急事態に備えて常に大量のカップラーメンを即時に提供
    できるよう備蓄体制をとっており、現に3月13日には100万食の
    カップラーメンの無償提供を告示しているのですから、行政機関に
    言われるまでもなく被災地の救援活動を自主的に行っていたはずです。
    なぜ「行政機関の要請を受け」と明記しなければならないのかを考えさせ
    られました。

    「当社の社会的責任、使命と考え」提供するのだ、とするだけで良いの
    ではないかと考えるのですが、それでは「株主への説明が付かない」
    のかもしれません。
    立派な姿勢の企業が、自ら正しいと信じる行為を実施するにあたっても
    他に理由を求めなければならないのはやはりおかしいと思います。

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